お伊勢さまと氏神さまのお神札をおまつりしましょう。
お伊勢さまのお神札は神宮大麻(じんぐうたいま)といい、伊勢神宮において丁重に奉製され、各地の氏神さまを通じ、神職や総代が皆さまの家庭にお配りされています。
暮らしの中の神様
仏教が伝わるずっと以前から、私達の祖先は日々の暮らしの中に神をとりいれ、これを崇める事によって心の拠り所としていました。古代人の生活において、太陽や月、気象、山、川、海、動植物など、神羅万象を神聖視するという考え方は、ごく当たり前の事だったようです。やがて人々は神の分身を自分の家に持ち込み、祀るようになりました。これが今日私達の家庭に見られる神棚の始まりです。
私達は家庭を基盤に日々の生活を営んでいます、人の幸せの源は基盤である家庭にあり、その喜びも、悲しみも、希望も、夢も…全ては家庭の中で培われていくものです。
朝に誓い、夕に一日の無事を感謝する。そんな気持ちを大切に、神棚をお祀り下さい。
神棚とは
神棚とは家や事務所などにおいて主に「神道」の神様を祀る為のものです。神棚には3種類あり、一般的にみられるのは小型の神社を摸した宮形(みやがた)の中に神宮大麻や氏神札、崇敬神社の神札を入れるもので、これは札宮(ふだみや)といい、神棚と呼んでいます。神職の家などの神葬祭を行う家には、祖先の霊をまつるための神棚があり、これは御霊舎(みたまや)といいます。
神棚には、伊勢神宮のお札を中心に、氏神の神社のお札、そして崇敬する神社のお札の3枚を祀るのが一般的です。
神棚の歴史
神道(しんとう、しんどう)は、日本に古くから存在する宗教で、惟神道(かんながらのみち)とも言われています。教典や具体的な教えはなく、開祖もおらず、神話、八百万(やおよろず)の神などさまざまな神様を祀っています。自然と神とは一体として認識され、神と人間を結ぶ具体的作法が祭祀であり、その祭祀を行う場所が神社であり、聖域とされています。
神棚が家庭に設置されるようになったのは江戸時代中期以降です。伊勢神宮を参拝する人たちに御師がお札を配布したことで、家庭内でも伊勢神宮のお札を祀れるものがあればいいということで、神棚が一般家庭に広まりました。
今の時代は近所の神社のお札も神棚に祀りますが、神棚ができた当時は伊勢神宮のお札を祀るためのものでした。
神棚の正しい設置場所
神棚は、できるだけ明るく清浄な場所の、最上階(または上に上階の床のない箇所)の天井近くに南向きまたは東向きに設置するのが良いとされています。
最上階への設置が困難な場合は「雲板」や「雲文字」が用います。「雲板」は神棚を設置する神棚板の上部に取り付けられている雲形に彫刻されている部材であり、「雲文字」は「雲」、「天」、「空」の木製の抜き文字あるいは紙製の書き文字を天井部分に取り付けるものです。
設置場所がなくタンスの上にまつる場合は、白い布か白い紙を敷いて神札を置くのが望ましいが、トイレと背中合わせになる場所や、ドアの付近など人がよく通るところの近くなどは避けなければいけないと言われています。
それ以外にも同じ部屋で神棚と仏壇の向かい合わせの設置は好ましくないとされています。
神棚の種類
板葺神棚(いたぶきかみだな)
板葺神棚は一般家庭で多く利用されている神棚です。
ヒノキなどの素材で作られているものが多く、扉が1つの一社宮と、横に長く3つの扉が付いている三社宮、五社宮、七社宮があります。三社宮より屋根の形状で通し屋根型と段違い型があります。屋根の高さが一律なのが通し屋根型で、中央の部分が高くなっているのが段違い型です。
箱宮神棚 (はこみやかみだな)
箱宮神棚は、四角い形状をした箱の中に小さなの神社が収まっている形の神棚です。棚板を使わずに壁に掛けて飾ることもできるので、お部屋の雰囲気に合わせておしゃれに祀る事ができます。
茅葺神棚 (かやぶきかみだな)
伊勢神宮を模した伝統的な茅葺屋根の神棚です。一社宮と三社宮がよく使われています。板葺神棚と同じで、通し屋根型と段違い型があります。